だてまきのつぶやきと、わたしのひとりごと 「春のセールで安くなっていたから」。 物を買うとき、これほど自分を正当化しやすい言い訳もないだろう。私も先日、定価五千九百九十円のイヤホンが、四千九百九十円になっているのを見て、まんまと飛びついてしまった。Ankerのな 雑文
寿司はさびぬきにかぎる
仕事の合間に書いている、暮らしのエッセーです。犬のこと、家電のこと、古いCDのこと。
だてまきのつぶやきと、わたしのひとりごと 「春のセールで安くなっていたから」。 物を買うとき、これほど自分を正当化しやすい言い訳もないだろう。私も先日、定価五千九百九十円のイヤホンが、四千九百九十円になっているのを見て、まんまと飛びついてしまった。Ankerのな
冷たい朝の参謀 朝、起きて顔を洗おうと洗面所の蛇口をひねったら、水が出なかった。 カチッ、という虚しい音が響くだけで、一滴も落ちてこない。一瞬、何が起きたのかわからなかった。頭が寝ぼけているのかと思って、台所へ行ってみる。やはり出ない。
夜中に、ざわざわする | 『スパイラル・ライフ/GREATEST HITS(S.L.G.H.)』 健康のためだとか、美容にいいとか言われて、最近ルイボスティーなんてものを飲んでいる。独特の薬っぽい香りを鼻で利かせながら、休日の昼下がり、だらだらと動画サイトを眺めていたときのことだ。 おすすめ機能というのがある。私の好
あえて、の二槽式 二〇二五年にもなって、まさか自分が昭和の遺物のような家電を家に招き入れるとは、夢にも思わなかった。 今年の「買ってよかったものベスト3」というのを脳内で集計してみたら、なんと堂々の一位に「二槽式洗濯機」が躍り出たのである
寿司は夜更け過ぎに… 世の中は明日がクリスマスイブだといって、なんだかふわふわと浮き足立っている。 街へ出れば赤と緑の装飾が目に痛いし、ラジオからはシャンシャンと鈴の音が鳴り止まない。そんな喧騒をよそに、私はひとり、パソコンの前で妙な熱に浮か
回る円盤と、百円のタイムマシーン 世の中が便利になりすぎるというのも、考えものだ。 指先一つで、世界中の音楽が聴き放題。私もご多分に漏れず、アマゾンなんとかの音楽配信サービスを使っている。これがまた、未知の曲を探すときなんかには、魔法の道具のように便利な
湿度の言い分 デスクに置いてある、安物のデジタル時計には、日付と時刻のほかに、気温と湿度が表示されるようになっている。ここのところ、私の肌はカサカサで、指先なんてささくれだらけだというのに、その時計はすました顔で「湿度五〇%」なんて
赤い宝石と、消えた五万円 学生時代、私はなぜか「探検」などという、いささか泥臭い活動に熱を上げていた。 華やかなキャンパスライフとは無縁の、リュックと寝袋を背負う日々である。東京から自転車で四国まで行って遍路道を走ったり、海外の山でスキーをしたり
鍋焼きうどんとだてまきくん 今日、うちの犬が十七歳になった。 犬の十七歳といえば、人間なら八十代半ばといったところか。もはや立派なご長寿様である。名前は「だてまき」。そう、あのお正月の重箱の端っこで、甘い誘惑を放っている黄色い渦巻き、伊達巻のことだ
誘拐とすっぴんと三百三十円 | 『B’z / IN THE LIFE』 いきなりブーンという低いエンジン音が響いて、穏やかじゃない幕開けである。 助手席の女の人はカンカンだ。「あなた何考えてるの、これは誘拐よ」とわめき散らしているのに、ハンドルを握る男の人は「もう構うもんか」とばかりにアクセ
耳で読む本とスクワット 本は目で読むものだと、ずっと思い込んで生きてきた。 紙のページを指でめくり、インクの匂いを嗅ぎながら、活字を目で追う。それが読書という行為のすべてであって、それ以外の方法は邪道だくらいに思っていたのである。ところが最近、
七冊の重みと、毎年の儀式 本棚の特等席に、どんと鎮座している七冊の本がある。 北方謙三さんの『史記 武帝紀』だ。 七巻セットである。物理的にもけっこうな重さだし、場所もとる。それでも、これだけは手放せないどころか、なんと毎年一回は必ず引っ張り出し
十年選手の、パン焼き網 我が家には、もうずいぶん長いことオーブントースターというものがない。 では朝のパンはどうしているのかと聞かれれば、ガスコンロの上に小さな網を乗せて、そこで焼いている。キャンプ好きの方ならご存知かもしれない、ユニフレームと
ヨレヨレの正義 Brooklyn’s Finest たまには昔の映画でも観ようかと、お茶をすすりながら選んだのが二〇〇九年の『クロッシング』という作品である。 原題は『Brooklyn’s Finest』というらしいのだが、どうして日本に入ってくると、こうもタ [&hel
あの町と、ガラケーの中の私 たまの帰省というのは、どうしてこうも普段は開けない場所の掃除から始まるのだろうか。 実家の押し入れの奥、なんだか懐かしいような、それでいてもう忘れてしまったような匂いのする段ボール箱の底から、それは出てきた。昔使っていた
冬のささやかな味方 なんだか最近、めっきりと冷え込むようになった。 朝、布団から出るのが億劫で、着替える間もついつい歯が鳴ってしまう。エアコンをつけるほどではないけれど、この足元からじんわりとくる寒さには、毎年悩まされているのである。 そん
四角い箱と、あの夜のこと。 いつからか、私の暮らしのまわりには、やたらと四角い箱が増えるようになった。 大きさも色もまちまちで、人が一人くらい座れそうな大きなものから、お弁当箱ほどの可愛らしいものまで。 来客はたいてい、「これ、何?」と不思議そうな
お品書きの書き換えどき なんだかこの頃、どうも調子がよろしくない。 台所で、淹れたてのほうじ茶をすすりながら、パソコンの画面をぼんやりと眺める。自分で言うのもなんだけれど、それなりに時間をかけて、コトコトと手間ひまかけて煮込んだ「とっておきの煮
正直な声が聞きたいだけ どうにもこうにも、最近のインターネットというのは、こちらの気持ちを少しもわかってくれないらしい。 事の発端は、十年以上も律儀に働き続けてくれた、我が家の電気ケトルである。少し前から接触が悪くなり、ついにうんともすんとも言
調べものと、私の書斎 なんだか最近、ものを調べるという行為が、すっかり億劫になってしまった。 ほんの数年前までは、何か気になることがあれば、すぐにあの四角い枠に言葉を打ち込んでいたというのに。たとえば、新しく出たお菓子の評判だとか、読み終わっ